بيت / ファンタジー / ティン王国のデッカとリザベル The Happy Lovers / 第二十六話 葉の裏に虫が付いていたのか

مشاركة

第二十六話 葉の裏に虫が付いていたのか

مؤلف: 霜月立冬
last update تاريخ النشر: 2025-08-03 14:12:22

 決闘。額面通りに受け取れば「命を懸けた殺し合い」になる。しかし、ティン王国では飽くまで揉め事の決着方法の一つ。運悪く落命する場合も否定できないが、そうならない工夫が施されていた。

 ティン弧剣士の場合、双方「刃の潰れたもの」を使用する。地球(日本)の時代劇でいうところの「峰打ちセーフ」である。

 尤も、命は賭けずとも「名誉」は掛かっている。敗者には、それなりの代償が有った。

「勝者の言うことを『何でも』一つ聞く」

 何でも。仮に命を要求されたならば、それを差し出さねばならない。拒否したならば、名誉が大きく損なわれる。その事実に対して「命を奪われた方がマシ」と断言する者は、貴族達の中には存外に多い。

 ブラリオ・ツィンコは貴族だった。しかも、近衛騎士で、流派の直系だ。その出自の宿業からは、生涯逃れることはできないだろう。

 絶対に拒否はできない。その事実は、オッタマン・ゲイツも熟知している。その上で、彼は非情な条件を告げた。

「俺が勝ったら、『デッカ殿下の護衛の役目』を代わって貰うぞ」

 デッカの護衛。ブラリオにとって、デッカは「竹馬の友」といえる存在だ。その役目を仰せつかった際、
استمر في قراءة هذا الكتاب مجانا
امسح الكود لتنزيل التطبيق
الفصل مغلق

أحدث فصل

  • ティン王国のデッカとリザベル The Happy Lovers   第三十五話 何でズボンを履いてませんのおおおおおおおっ

     アゲパン大陸の北東にそびえ立つ天下の険、ピタラ山脈。その麓に広がる白い城塞都市、王都オーティン。その中心に立つ白亜の王城で、ちょっとしたファッションショーが行われていた。 場所は王城最大の広間、謁見の間。  ピタラ石が敷き詰められた白亜の空間(中心)に、四人の男性が立っている。 国王ムケイ、第一王子デッカ、第二王子フルイ。  王族男性揃い踏みである。その中に混じって、長身痩躯の男性、デッカ専属声騎士のブラリオがいた。  それぞれの立場や身分は、当然違う。しかしながら、今はそれぞれ一人の男として同じ「土俵」の上に立っている。 土俵と言えば「力士」を想起する者は存外に多い。実際、四人とも力士っぽい格好をしていた。 有り体に言えば「殆ど全裸」である。唯一身に着けているものは、腰から垂れる「長い白布」だけ。その布の意味と正体が、ムケイの口から飛び出した。「どうだ? ジポング土産の『|褌《ふんどし》』の履き心地は?」 褌。極東の島国「ジポング」に於ける一般的な男性の衣装である。その眩しい白さに、ムケイは心底惚れ込んでいた。  ムケイは、その鋭い瞳をキラキラ輝かせながら、息子達(幸運にして巻き込まれたブラリオを含む)に感想を要求(立場的に強要)した。すると、デッカが反応した。「ふむ」 デッカは、感想を言う為に、先ずは自身の体を見回した。  このとき、デッカは堂々としていた。堂々と褌姿を晒していた。殆ど全裸という状態でも、何ら恥じることは無い。  しかしながら、「この場の全員が、褌姿に自信満々」という訳ではなかった。 国王の意に反する不届きな言葉が、デッカの|弟君《おとうとぎみ》(『おとうとくん』とルビを振りたいところだが)の口から飛び出した。「僕は、少し恥ずかしいです」 フルイは右腕で胸を隠し、左腕で股間を隠そうとしている。その言動は、当然ムケイの|耳目《じもく》に入っている。「恥ずかしい?」 ムケイの端正な顔が、ピシリと音を立てて強張った。その喉下まで「ばっかもーん」という怒鳴り声が込み上げた。心中には説教を垂れたい気持ちも沸いている。 しかしながら、|王偉《おうい》をものともしない不届き者が、もう一人いた。  ブラリオは、その痩身を存分に晒しながらも、頻りに首を捻っている。「陛下。何故、フンドシ――ですか? これ一枚しか身に付

  • ティン王国のデッカとリザベル The Happy Lovers   第三十四話 そのような目で余の妻を見るなっ

     アゲパン大陸東端に位置する島国は、他国から「ジポング」と呼ばれている。  しかしながら、それは飽くまで他称。ジポング国民は、自国を「帆本」と呼称している。  何か、こう、火山噴火と同時に「ひょっこり」しそうな名前である。これもまた、島国故の感性か。  そもそも、ジポング――帆本は島国故、他国からの影響が少ない。帆本内では「帆風」という独自の文化が発展している。  王都「江都」の構造も、その内の一つ。 江都を上から見ると、川と見紛う大きな堀が「右巻きの渦状」になっている。江都城の城下町は、その間に挟まるように展開していた。 渦の中心に将軍の居城「江都城」。その御膝下に「武家街」。更に外側を「町人街」――と、いう順番だ。江都城には、真っ直ぐ辿り着けない構造となっている。  一応、城下町にはメインストリートが有る。しかし、それらは途中で建物、壁、なんやかんやの障害物にバッサリ遮られている。支道も袋小路ばかり。初見で江都城まで辿り着くことは難しいだろう。それ以前に、迷子になること間違いなし。 そんな「迷宮」のような場所で「祭」が開催されている。それも、全宇宙に名を轟かせている奇祭、「褌祭」だ。  褌祭を見学しようと、外宇宙から異星人までもがやって来るとか来ないとか。  まあ、仮に「やってきた」としても、現地民は無視する。発祥の地である地球の人々であろうとも、江都の都民達であろうとも、全力で無視する。  何しろ、褌祭の開催期間中は何かと忙しいのだ。それこそ人の心を亡くすほど。「今、正に開催中」となれば尚更だ。  些事に構っていられるほど、皆は暇ではない。例え異星人を見付けたとしても、「祭」以外に興味関心を覚えられる状態ではなかった。 今、江都城下町人街のメインストリートには、江都中の都民達が大勢詰め掛けている。それなりの広さが有る大道が、黒山の人だかりで埋め尽くされている。宛ら「満員電車の鮨詰め状態」と言ったところ。蟻の這い出る隙間もない。そのはずだった。  ところが、蟻より遥かに大きな物体が「ぬっ」と湧いて出た。 人海のど真ん中に、「屋根付きの箱」が覗いている。それを押し上げているものは、「半裸の男達」だった。 男達が担いでいる箱は、ジポングの「神輿」という。  男達の格好

  • ティン王国のデッカとリザベル The Happy Lovers   第三十三話 今、城下で褌祭が催されているのですが

     武士の国ジポングの首都(王都)を「江都」という。他国の王都同様、王(ジポングで言うところの『将軍』)の居城を中心に、城下町が広がっている。  王城――江都城の周りには堀が有ったり、城壁が有ったりする。しかし、城下町には何の防衛機構も無い。「平和だね?」と、いう訳ではない。 実は、城下町自体が江都城の防衛機構なのだ。城下に暮らす領民は、ちょっとだけ涙目になっても良い。  尤も、そこは武士の、武士に因る、武士なりの考え。元より籠城戦となれば、領民を城に押し込めるつもりなのだ。城内には領民を匿う設備や、備蓄がタンマリ有った。まあ、それはそれとして。  現在、江都城内、他国でいうところの「謁見の魔」に、奇妙な「男女」の姿が有った。 歳の頃五十代――もしかしたら四十代後半と思しき男性と、十代前半――もしかしたら十歳未満と思しき女性。 二人は一見、親子。しかして、その実態は夫婦。しかし、只の夫婦ではない。二人の額から「大人の手」と形容できるほど大きな「角」が生えていた。  明らかにティン族。それも、王侯貴族級にデカい。さもありなん、宜なるかな。二人は王族だった。 ティン王国国王ムケイ・ティンと、その妻、王妃マルコ・ティン。 そんなやんごとない身分の二人が今、畳敷きの広間のど真ん中で、武士達に囲まれながら平伏していた。 何してんねん? 居合わせた武士、ジポングの為政者(将軍の近習)達は、二人の正体を知らない。それでも、「絶対に只者ではない」と直感して、二人をジト目で見詰めていた。彼らの主である将軍、徳下良月も「何かトンデモナイのが来ちゃってるぞ」と思いながら、引きつった笑みを浮かべていた。  そんな異様な雰囲気の中、平伏していた男女の内、男性の方が声を上げた。「余――いや、我が王ムケイ陛下から、将軍様宛の『親書』を預かっております」 親書。そこには現況の理由や意味が書いてある――かもしれない。居合わせたジポングの為政者達は、親書の内容に期待した。それを確かめたい気持ちも沸いた。  しかし、その前に「ちょっと気になること」が有った。 今、「余」って言ったよな? 余。とても偉い人が使う一人称である。それを許されている存在は、惑星マサクーンに於いては「王」、ジポングに於いては「将軍」唯一人。その事実は、将軍良月を含め、

  • ティン王国のデッカとリザベル The Happy Lovers   第三十二話 外国旅行に行きたいな

     奇妙な広間だった。藁を編んだ「畳」という床の上に、髪を結った複数名の中高年男性が座っている。その男達は、それぞれ「裃《かみしも》」と呼ばれる東方の民族衣装をまとっていた。    ここは異国。アゲパン大陸の東端に在る島国。その名も「ジポング」という。 現況は「ジポングの支配者」の居城だ。その中に有る大広間、他国で言うところの「謁見の間」であった。 一見、「変わった謁見の間」である。しかしながら、構造や機能は他国のそれと同じだ。 広間の最奥は「厚畳」と呼ばれる一段高い場所になっている。そのど真ん中に、歳の頃四十後半、或いは五十か? よほど苦労しているのか、年齢を特定し難い老け方をした男性が胡坐を掻いて座っていた。 その男――よく見ると、ちょっとイケメン。「若い頃はさぞやオモテになられた」とは、想像に易い。 しかし、実は一途な愛妻家。奥さん以外の女性に指一本触れていない。 その「貞操観念の権化」というべき男の名は「徳下良月《トクシタ・ラツキ》」という。 良月はジポングの武士を束ねる総大将であり、それ故にジポングを支配する「王」だ。ジポングでは、王のことを「将軍」という。良月は二十二代目の将軍だ。  その良月の前に、奇妙な二人組が平伏していた。 良月と同年代の男性と、十代前半と思しき少女。 それぞれ、ジポング的に「異国の衣装」をまとっている。しかし、奇妙なのは意匠だけではなかった。  男女の頭には「角」が生えていた。それも、「大人の手」と形容するほどデカいやつが。そのデカさは――そう、「王侯貴族級」なのだ。一目瞭然なのだ。   ところが、当人達は全力で身分を偽っていた。「我々は、ティン国王ムケイ陛下から遣わされた使者に御座います」 五十代男性が自己紹介した際、良月を含めた武士達が一斉に首を傾げた。 それ、絶対嘘だよね? 皆、男女の頭に生えた角――「ティン(或いはティンティン)を見ていた。実際、「それ」が一番分かり易い。しかし、例えティンが無かったとしても「普通の使者」とは思わなかっただろう。  ティン族の使者(自称)達の体から、抑えきれないほどの威厳が漂っている。それも、自分達の王(将軍)をも凌ぐほど。 このような偉人が、只の使者のはずが無い。 誰もが「これ、ほんとマジヤバいやつ」と直感していた。そして、「それ」は正鵠ど真ん中を深

  • ティン王国のデッカとリザベル The Happy Lovers   第三十一話 お兄ちゃんが、そのようなこと申すはずが無い

     アゲパン大陸北方、天壁ピタラ山脈の麓に在る白い城塞都市「王都オーティン」。  ティン王国最古の都市であるが故、オーティンには様々な名所旧跡が存在している。  その内の一つ、都市の中心(王城)から、ちょっと南寄りに「中央広場」と呼ばれる開けた場所が有った。  ピタラ石を敷き詰めた、直径三百メートルの大真円。そこは今、額に角を生やした人間(ティン族)」で溢れ返っていた。それこそ「王都中のティン族が集まっているのでは」と錯覚するほど。  何故なのか? その謎を解く鍵は、人海の中心に設けられた「木(ゲッパク)製の建造物」に有った。 それは、急造した「野外舞台」であった。 舞台の上で、人間(真人間族)が大声を張り上げながら動き回っている。  人間達は皆、「羽織袴」という異国の衣装をまとっていた。頭に髷を結って、腰に打刀を差している。  その格好は、東方の島国「ジポング」に住む「お武家様」のものだ。 お武家様が、鬼(ティン族)の集団に囲まれている。その様子を地球人が見たならば、「お労しや」と手を合わせてしまうだろう。  実際、お武家様方も生きた心地がしていなかった。しかし、彼らは逃げなかった。舞台の上から降りなかった。  そもそも、お武家様達には「鬼(ティン族)を楽しませる」という使命を持っていた。それを果たす為、この国(ティン王国)にやってきたのだ。 お武家様達は、全員「役者」だった。それも、ジポングで最も有名な演劇集団、その名も「ジポング歌劇団」の団員だ。 今日の演目は「甘えん坊将軍」という痛快娯楽現代劇。  物語の内容を簡潔に表現すると、「ジポングの最頂点に君臨する将軍が、あの手この手で色んな人に甘えまくる」といったところ。人気シリーズであるが故に、和数も多く、お約束の展開も多々有った。  しかしながら、今日の話は少々「特殊」な内容になっていた。 舞台の上では、複数のお武家様達が円を描くように並んでいた。彼らは全員内側を向いていた。その円心には一人のお武家様(壮年)の姿が有った。 そのお武家様こそ、物語の主人公「徳俵新之助《トクダワラ・シンノスケ》」。その正体は当代将軍「徳下値吉好《トクシタネ・ヨシヨシ》」である。  当然ながら架空の人物である。 今、新之助(吉好)は単身で敵地(悪代官宅)に乗り込んでいた。そこには悪代官と、その手

  • ティン王国のデッカとリザベル The Happy Lovers   第三十話 仲良くやっていけそうだね

     惑星マサクーン最大の陸地、アゲパン大陸。その「臍」というべき中央部に在る国、オニクランド共和国。その領土の中心に聳える山脈、オツパイン樅帯。その頂上部に群生するオツパイン樅の木の下で、白い革コートを羽織った貴公子と淑女の姿が有った。 貴公子の名はデッカ・ティン。淑女の名はリザベル・ティムル。 リザベルは、大きな樅木に背中を預けるように立っている。デッカは、リザベルの真正面に立っている。  うら若い男女が大きな樅木の下で向かい合っている。その現場に出くわしたなら、脳内に「仲良く遊びましょ」と、楽しげな幻聴が響き渡ったとしても致し方無し、宜なるかな。  しかし、その幻聴は一瞬で雲散霧消する。現況が醸し出す空気は「ラブラブ」ではなく、どちらかといえば「修羅場」に近い。 二人の間に剣呑な緊張感が漂っていた。しかしながら、それを醸し出しているのはリザベルだけ。デッカの方はと言うと、「訳が分からない」と言わんばかりの困惑顔で首を傾げている。 デッカの視線の先には、彼の右手が有った。それは、リザベルの左手に握られていた。その行為に関しては、デッカ側には何の疑念も無かった。問題は、「その奥に控えた物体」に有った。 二人の手は「リザベルの胸」の辺りに掲げられていた。その行為は、リザベルの方から仕掛けたものだった。デッカには意味が分からなかった。  デッカの頭上に「?」が浮かんだ。そのタイミングで、リザベルが謎の呪文を唱えた。「どうぞ、『お揉み』下さいませ」 「え?」 デッカの首が一層傾いだ。頭上の「?」の数も増えた。しかし、混乱しているのは彼だけではなかった。  この場には、デッカ達の他に、樅の影から二人を見守る護衛者、護衛隊、オニクランド共和国大統領夫婦がいた。彼らの首も一斉に傾いでいた。その困惑の空気は「元凶」にも届いていた。「あ、私としたことが」 マスクに隠れたリザベルの目に、正気の色が戻った。彼女は冷静になった。その上で、現況に対する「彼女なりの最適解」を告げた。「繋いでいては、お揉みできませんわ」 リザベルは、直ぐ様デッカと繋いでいた手を解いた。その行為によって、デッカの右手は解放された。その事実を直感した瞬間、リザベルは頬赤らめながら胸部を突き出した。「どうぞ」 「えっと?」 一体、何が「どう

  • ティン王国のデッカとリザベル The Happy Lovers   第二十三話 ティンティン見ぃ付けた

     苔むした「灰色」の大噴水。それを囲む「灰色」の石畳。石畳の上には古ぼけた木製のベンチが幾つか置かれていた。 王立オーティン大学講堂、中庭。 講堂の中心に位置する場所であるが故に、それなりに人が通る場所だ。  だが、汚い。大噴水にへばり付いたコケや、石畳を覆う雑草が、灰色に余計な緑を加えている。いい加減、「ちゃんと掃除しとけ」と言いたくなるところだ。 しかし、学生の本分は飽くまで勉強。この大学の学生達も、「掃除する暇が有ったら本の一冊でも読んでいる」という、本の虫ばかり。そのような状況にあって、「外で遊びまくっている学生」がいたならば、それは――目立って当然だった。 時刻は正午過ぎ

  • ティン王国のデッカとリザベル The Happy Lovers   第二十二話 遠山左衛門のお嬢様、ご出座

     ティン王国で、最も有名な建造物といえは、殆どの者が「王都の王城」と答えるだろう。王城の威容を見た者は、「ピタラ山脈の一部」と錯覚する。  それほど大きな建造物だと、中の部屋もそれなりの大きさになる。その中でも、一際広大な部屋が有った。 王城「謁見の間」。  白いピタラ石製の空間は、そこに足を踏み入れた者に「無限」を直感させた。全ての王都民を詰め込んでも、未だ「空き」が有るかもしれない。 その広大な空間に、二人の男性の姿が有った。 壮年、或いは中年と思しき男性と、十代と思しき若者。  二人は、広間中央部を貫く赤絨毯のど真ん中で、向かい合って立っていた。  どちらも目を見張るほど

  • ティン王国のデッカとリザベル The Happy Lovers   第二十話 こんなに綺麗なティン玉、見たこと無いですっ

     空に聳える白亜の城、ティン王国王城。その深奥、中庭に面した執務室に二つの人影が有った。  人影は、白いタキシードとドレス(それぞれ夏期バージョン)をまとった、見目麗しい男女だった。この二人に出会えば、視線を奪われれても致し方なし、宣なるかな。  しかし、人々の視線が真っ先に向かう先は、二人の衣装でもなければ顔でもない。絶対に「頭」だ。  男女の頭には、それぞれ「人の腕」と錯覚するほど巨大な角が生えていた。そのような人間は、この世界(惑星マサクーン)には男女一人ずつしかいなかった。 男性の名は「デッカ・ティン」。女性の名は「リザベル・ティムル」。 二人は今、デッカの執務室にいた。そ

  • ティン王国のデッカとリザベル The Happy Lovers   第十九話 お止めなさあああああああああああいっ

     塩気を帯びた風が、デッカとリザベルの肌を弄った。規則的に刻まれる「波」の音が、二人の鼓膜を震わせていた。 今、二人の目の前には「無限」と錯覚するほど広大な「青」が有った。 その青は「水」だった。それも「無尽蔵」と錯覚するほど大量の水だ。そのような圧倒的な水量を誇る「湖」など、ティン王国には無い。惑星マサクーン上にも、「湖」ならば無い。  一体、二人は「何」を見ているのか? その答えが、二人の口を衝いて零れ出た。「「これが――『海』」」 デッカ達は海に来ていた。二人の目の前には、地表の七割を占める大海「リバイアス」が広がっていた。それを見詰める二人の足下には、白い砂浜が広がっていた

فصول أخرى
استكشاف وقراءة روايات جيدة مجانية
الوصول المجاني إلى عدد كبير من الروايات الجيدة على تطبيق GoodNovel. تنزيل الكتب التي تحبها وقراءتها كلما وأينما أردت
اقرأ الكتب مجانا في التطبيق
امسح الكود للقراءة على التطبيق
DMCA.com Protection Status